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zoom RSS 語源 【猫も杓子も】

<<   作成日時 : 2017/08/06 11:41   >>

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「流行」 と 「ブーム」 は同じことのようで,ちょっと違うと私は思っている。
「流行」 は,それに乗る人もいれば,乗らない人もいる。流行に乗らないからといって,それほどひけめに感じることはない。ところが 「ブーム」 となると,それに乗らないと仲間はずれになった感じがしてしまい,誰も彼もが,猫も杓子も飛びついてしまうのである。

昭和の時代までは,海外旅行なんてのは,よほどの金持ちか,かっこづけの若者が行くものだったが,平成の昨今は,まあ旅行会社の格安プランなんてのも影響してると思うけど,中流層の人種も,余生がそれほど長くない爺ちゃん婆ちゃんも,それこそ猫も杓子も海外へ遊びにいく時代になってしまった。


上の例文のように, 〈誰も彼も〉 の例えとして 「猫も杓子も」 ということばがよく使われます。

しかし, 〈誰も彼も〉 ということを言うのに, 「猫」 とか 「杓子」 などという,人間でないものを,なぜわざわざ持ちだすのか,考えてみれば変な言い方です。


まあ,人間はわざわざ持ちだすまでもなく,動物である猫や,日常用具である杓子までも,ということで, 〈誰も垂れも〉 〈何でもかんでも〉 を強調しているのだという見方もできます。


私が,下にあげた参考図書で調べたところでは, 「猫も杓子も」 の語源は,次の 4 つにまとめられると思います。

1) 猫は人間にとって最も親しみやすい動物で,家族の一員みたいな存在であるところから, 「猫」 を持ちだすことで 〈家族総動員〉 を言おうとしている。また,杓子は台所用品として最もありふれたものであるところから,道具・用具の代表として 「杓子」 を持ちだした。

2) 「猫」 「杓子」 は,もともとは 「禰子 (ねこ=神主) 」 と 「釈子 (しゃくし=僧侶) 」 だった。神主は神道を,僧侶は仏教を象徴するものであり,要するに 〈神も仏も〉 ということを意味することばだった。

3) 「女子 (めこ) も弱子 (じゃくし) も」 と言っていたものが 「ねこもしゃくしも」 に音韻変化して,それに 「猫も杓子も」 の漢字を当てたもの。つまり,もともとは 〈まだ力不足のか弱い女や子どもまでも〉 ということを言おうとしたことばだった。

4) 猫の足が杓子に似ているととらえて,その 2 つを並列的に並べて 〈何もかも〉 と言おうとした。


私は, 4) の説は,なぜその 2 つを並べると 〈何もかも〉 の意味になるのかどうしても理解できません。

また, 3) については,女子どもの手も借りたいほど忙しい状況を言うのなら,この表現もあるのかもしれませんが, 「猫も杓子も」 は必ずしもそういう忙しい状況を言うわけではありません。冒頭の例文も,忙しさを言っているものではありません。

2) の説は, 〈誰も彼も〉 を言うのに 〈神も仏も〉 という宗教を持ちこむことに無理があるかな・・・・という違和感があります。


実は,このことばは,一休和尚が詠んだ 「生まれては 死ぬるなりけり おしなべて 釈迦も達磨も 猫も杓子も」 の歌からきているのです。

要するに,どんなに立派な偉い人でも,普通の人でも,いやいや猫のような動物でも,みんな,生まれてきては,いつかは死んでいくものなのだ。そう考えれば,すべて平等な存在なのだ,と言っているのです。

この歌で,すでに釈迦と達磨 (大師) が出ているのですから,そこに,上の 2) 説のように,さらに禰子と釈子を持ちだしたのでは, 〈誰も彼も〉 〈何でもかんでも〉 の意味が薄くなってしまうと思います。


この一休和尚の歌から推察すれば, 「猫」 と 「杓子」 をわざわざ他のものに置きかえなくても,ストレートに 「猫」 「杓子」 そのものでいいのではないかと思うのですが・・・・。もちろん,私の個人的な意見です。

ということで,私としては上の 1) 説をとりたいと思います。


もともとはもっと長いことばだったのを,その前にあったことば,あるいはその後にあったことばを省略してしまって言うようになったことによって,意味が分かりにくくなってしまったり,意味が誤解釈されてしまったりすることがあります。

「情けは人のためならず」 も,その後ろに続くことばが省略されて使われるようになったために,多くの人が意味を誤って理解していることばです。

語源 「情けは人のためならず」
http://mobility-8074.at.webry.info/201509/article_88.html

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** 《参考図書》 **

記号-番号 については,

《参考図書》 リスト
http://mobility-8074.at.webry.info/201606/article_35.html

を参照してください。

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