語源 【おちゃめ】

 普通は 「お茶目」 と書きます。

 一般に,目の中で 「黒目」 と呼ばれるのは,眼科学的に言う 〈瞳孔〉 と 〈虹彩〉 を合わせた部分です。しかし,ほんとうに黒いのは 〈瞳孔〉 という穴であり,その周辺の 〈虹彩〉 は,人種によって色が異なり,日本人のほとんどは茶色です。

 だから,我々が 「黒目」 と呼んでいる部分は,正確には 「茶目」 なのです。

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 さて,では,日本人はみんな 「おちゃめ」 かというと,とんでもない・・・。おちゃめな人は,ある限られた人だけです。

 「おちゃめ」 な人とは,明るい性格で,いたずら好きで,よく冗談を言って人を笑わせる,しかしどこか憎めない,愛嬌のある人のことを言うようです。

 では,なぜそういう人を 「おちゃめ」 と言うのか,その語源は・・・? ここで,ハタと困ってしまいました。

 私は,語源に関する本を30冊以上もっているが,どの本にも 「おちゃめ」 が載っていないのです。『広辞苑』 や 『大辞林』 の大型の国語辞典を調べても,「茶目」 の項目に,上記したような意味は書いてありますが,語源については触れられていません。

 唯一,末尾の参考図書の C-01(1) にこの項目があったので,それを参考にしながら,私なりの解釈をしてみようと思います。

 (下の参考図書として掲げている他の本は,この私なりの解釈のために参考にしたものです)

 まず,上記の2つの国語辞典の 「茶」 の項目を引いてみると,日本古来からの飲みものとしての 「お茶」 の意味のほかに,“いいかげんなことを言うこと” “からかうこと” “ひやかすこと” などの意味が載っています。 ははあ,これだな・・・。

 「茶化す」 「茶々を入れる」 「茶番劇」 などの 〈茶〉 も,この意味の 〈茶〉 なのでしょう。

 なお,『大辞林』 には,「茶る」 という動詞も見出し語として載っていて,“ふざける” “おどける” と意味が説明されています。

 いずれにしても,この意味の 「ちゃ」 は,植物としての 「茶」 や,それをもとにしてつくられる飲みものとしての 「茶」 とは別のことばとしてあったのではないかと思います。その 「ちゃ」 にあて字として 「茶」 を使うようになったのではないだろうか。あくまで,私の憶測です。

 次に 「お茶目」 の 「目」 です。この 「目」 は,どう考えてもあて字です。

 普通,「おちゃめ」 は,女の子に対して言うことばです。男に対して使うことはまれでしょう。そうすると,この 「め」 は 「女」 を意味する 「め」 であろうと考えるのは,それほど無理なことではありません。ちなみに,ひらがなの 「め」 は,「女」 という漢字をくずしてできたものです。

 つまり,「ちゃめ」 とは,“茶る女” → “ふざけたり,おどけたりする女性” ということになります。

 ここで,今,ふと思い浮かびました。最近,「チャラ男」 と言われる若い男がけっこういるそうです。

 さっそく,上記の2つの国語辞典を調べてみました。さすがに 「チャラ男」 は,まだ見出し語にはなっていませんでしたが,「ちゃら」 は,“口からでまかせを言うこと” “いいかげんなことを言うこと” とあります。そう,「チャラチャラしたやつ」 の 「チャラ」 です。

この 「チャラ」 も,「茶る」 からきているのだろうか・・・?

う~~ん,「お茶目」 は好意的な見方なのに対して,「チャラ男」 はあまりよろしくない見方をされているようです。


[追記1] 2016.03.13

新たな参考図書 (C-22) に, 「茶目」 について,今までに読んだことのない記述がありましたので紹介しておきます。

新たな図書といっても,私が入手したのが最近ということで,出版されたのは昭和 29 年と相当に古いものです。 まあ,古いだけに,古い事情を知っていて書いたものでしょう。

それによると,明治時代のはじめ頃,新聞に連載されたポンチ絵という漫画のようなものに 「茶目」 という名前のイタズラ小僧が登場して人気になったそうです。そこから 「茶目」 が 〈わんぱくな子〉 の代名詞になった,と説明されています。

それはそれでいいのですが,その漫画の作者が,その腕白な子になぜ 「茶目」 という名をつけたのか,その説明がないと,やはり語源にたどりつかないですね。

それから,そのイタズラ小僧はおそらく男の子なのでしょう。私が上で書いた 「おちゃめ」 の 「め」 は 〈女〉 だろう,というのと反するところが,ちょっと気に入らないところです。

[追記2] 2018.10.13

「チャラ男」 は, 『広辞苑』 (第6版) には,見出し語として載っていないと書きましたが, 2918.01.12 発行の (第7版) にも載っていません。



[補記]

上の方で, 「おちゃめ」 の語源について書いているのは,参考図書 C-01(1) だけだ,というようなことを書きましたが,下の 《参考図書》 リストには,それ以後に入手した辞典や本も載せてあります。

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** 《参考図書》 **

記号-番号 については,

《参考図書》 リスト
http://mobility-8074.at.webry.info/201606/article_35.html

を参照してください。

A-01 A-02 A-03 A-11
B-01 B-05 B-12 B-14 B-66(4)
C-01(1) C-01-b C-22 C-69
X-17(1)

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