語源 【図星 / 正鵠 (せいこく) を射る】

大学の教員をしていた時,ある学生から, 「先生, N さんのこと好きなんでしょ」 と言われて,ドギマギしてしまったことがありました。 「ほ~ら,やっぱり・・・。 図星だったでしょ」 とからかわれてしまいました。

どうやら,授業をしながら,私の視線が N さんという女子学生の方に向くことが多いことを,その学生に悟られてしまったようでした。

まあ,美人で,聡明で,真面目な N さんでしたから,私にとって気になる存在だったことは確かなのです。確かだったからこそ,他の学生から指摘されて慌ててしまったわけです。

こういう場合の 「図星」 とは,思っていること,考えていることを見抜かれて指摘されてしまうことです。


「図星」 ということばは,弓道の的のことです。

弓道の的には, 「星的 (ほしまと) 」 と 「霞的 (かすみまと) 」 があります。

画像


「星的」 の中心の黒い丸が 「図星」 です。

そこから,他の人の 〈心の中心を見抜く〉 , まさに 〈心の的を射る〉 という意味で 「図星」 と言ったわけです。

ほんと,自分では見抜かれていないと思っていたのに,やはり第三者には分かってしまうものなんですね。

いや,ことによると,第三者だけでなく,当の本人の N さんにも気づかれてしまっていたかな・・・。 そこは,怖くて確かめられませんでした。


なお,ついでながら, 「霞的」 の一番中心の白い丸を 「正鵠」 と言います。

〈ものごとの急所,最も重要な部分を的確に指摘する〉 ことを 「正鵠を射る」 と言いますが,このことばも,この弓の的からきています。

「正鵠」 は,もとは鳥の名前で, 「正」 は 「征鳥 (せいちょう) 」 という猛禽類で, 「鵠」 は 「オオハクチョウ」 のことです。これらの鳥は,いずれも弓で射止めることが難しいところから,弓の的の一番中心の部分の名称に名づけられたというわけです。

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** 《参考図書》 **

記号-番号 については,

《参考図書》 リスト
http://mobility-8074.at.webry.info/201606/article_35.html

を参照してください。

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この記事へのコメント

お出かけ猫
2020年05月04日 07:39
どうやらですね、
正鵠を射るは昭和に入って変えられた言葉のようです。
明治の頃、
正鵠を得るという言葉が元々あったのを昭和の人たちが的は射るものってことで変えたらしいのですが、
言語的にもしそうなのであれば、
正鵠を的と読み替えたと解釈できる
的を得るも誤用ではないと思います。
ナッシー
2020年05月04日 07:59
お出かけ猫さん

ご指摘ありがとうございます。

ただ,私は 「正鵠を得る」という表現に出あったことがありません。
「正鵠を得る」が,どういうニュアンスで使われていたのか,それが分かると,そのことについて意見が言えるのですが・・・・。

とりあえず,一つの参考意見として受け止めさせていただきます。

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