語源 【ちょろい / ちょろまかす】

A1) 山田の今の能力からしたら,こんな資料をまとめるぐらいは,半日もあればちょろいもんだよ。

A2) オレ様の実力なら,アイツに勝つのは当たり前さ。ちょろい,ちょろい !!

B1) アイツったら,彼女とのデートの時の飲み食いの金を,得意先の接待だとちょろまかして,領収書を経理に出してるらしいぞ。

B2) 「オレオレ詐欺」 なんてのは,年寄りをちょろまかして大金を巻き上げる典型的な手口だ。


勝負に勝つ,仕事を成し遂げることが 〈容易だ〉 〈簡単だ〉 〈たやすい〉 という時に, 「ちょろい」 という言い方をします。 勝負の相手や,仕事の程度を少し 〈見下した〉 ニュアンスのことばです。

ネズミとかトカゲなどのように小さなものが敏捷に動きまわる時の 「ちょろちょろ」 という擬態語の 「ちょろ」 を形容詞化したことばです。

「ちょろちょろ」 したものには,あまり重要性が感じられないことから, 〈とるに足らない〉 〈簡単な〉 〈安直な〉 というような意味になったと考えられます。


一方, 「ちょろまかす」 の語源には 2 つの説があります。

1) 上の 「ちょろい」 と, 「ごまかす」 「だまかす」 などの 「まかす」 が組み合わさった造語という説があります。本来, 「ごまかす」 「だまかす」 から 「まかす」 だけを取り出すのは文法的には間違いなのですが,まあ,時には文法を無視したことばもあるのです。 要するに, 〈ちょろちょろっとごまかす〉 〈ちょろっとだます〉 という意味合いのことばをつくったということです。

2) 江戸時代に,荷物の運送に使われた 「猪牙船 (ちょきぶね) 」 というかなり小さな船がありました。小回りがきいて,船足も速い船で, 「ちょろちょろ」 と走り回っていたので 「ちょろ」 とも呼ばれたそうです。その 「ちょろ船」 よりももっと素早くという意味合いで 〈ちょろを負かす〉 くらいに 〈すばやくごまかす〉 ということで 「ちょろまかす」 という言い方ができた,という説です。


私が 30 代の頃に勤めていた職場に,当時 50 代の大先輩がいました。そこは,国の出先機関でしたから,国家公務員でした。

公務員に現在もあるのかどうか分かりませんが,その当時,夏と冬のボーナスのほかに, 3 月に期末手当といって,まあわずかではありましたが,第三のボーナスのようなものが支給されていました。

で,給料が勝手に銀行の口座に振り込まれる時代ではなく,まだ給料袋で現金が支給される時代でした。

その先輩は,結婚してから 30 年,その期末手当のことを奥様に内緒にしつづけてきました。まあ,要するに自分の飲み代の補充にと,奥様をちょろまかしてきたわけです。

それが,ひょんなことから,そういう臨時収入があることが奥様にばれて,それ以来,普通に奥様から渡されていた月々の小遣いまで差し止めになってしまったということです。

まあ, 30 年もちょろまかし続けてきたのですから,仕方がないですね。

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** 《参考図書》 **

記号-番号 については,

《参考図書》 リスト
http://mobility-8074.at.webry.info/201606/article_35.html

を参照してください。

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