語源 【昔】

小さい頃に聞かされたお伽噺 (おとぎばなし) は,たいていは “むかし,むかし,・・・” で始まったように覚えています。

まだ子どもでしたから,そういう時の 「むかし」 ってどのくらい前のことなのか・・・なんて考えたこともなかったと思います。

でも,なぜだか分かりませんが,なんとなく 〈自分が生まれる前〉 という観念はもっていたと思います。 ・・・ とはいっても,自分が生まれる何年ぐらい前なのか ・・・・ そこまでは考えたこともなかったような ・・・・・・。


「むかし」 は,現在との対比で,思いを過去に 〈向けさせる〉 という意味での 「向かふ」 がもとになっていることは確かなようです。

ただ,語尾の 「し」 が何なのかについては,今ひとつはっきりしません。

ある参考図書では, 〈過去という方向を示す 「し」 〉 と説明していますが,それだけでは,言語学の素人には理解できません。

その参考図書は,言語学の専門書ではなく,一般向けの,どちらかといえば雑学本に近い性質のものですから,もう少していねいな説明をしてくれればいいのに・・・と思います。

まあ,それでも, 「むかし」 の 「むか」 が過去への 「向か」 だったということが分かっただけでも, “なるほど,そうだったのか・・・” ではあります。


ところで,上にも書いたように,子どもの頃は 「昔」 とはどのくらい前のことか気にもしなかったのですが,あらためて考えてみても,結局はよく分かりませんね。 ・・・ というか,昔とは何年以上前のことかという定義もないようです。

おじいさんが, “昔のことは,もう覚えとらんわい” と言う場合は,自分が子どもの頃のことでしょうから,せいぜい 70 ~ 80 年ぐらい前のことでしょう。

しかし,何 100 年も前の日本史の話も 「昔」 です。

まあ,恐竜の時代なら 「大昔」 という言い方もするでしょう。

古語辞典の 「昔」 を引くと, 〈過去の十年を一期としていう語。一説には十二年ともいう〉 とあります。 まさに, 「十年ひと昔」 ということですね。 〈十二年〉 の方は十二支のひと回りを意識してのとらえ方なのでしょう。


[追記]  2018.04.21

「むかし」 は,もとは 「もかし」 であり, 「も」 は 〈定かではないおぼろげな記憶〉 のことで, 〈霧や雲の中のような,ぼんやりした遠く過ぎ去った時〉 を表していて, 「か」 を 〈心を通わす〉 ことを意味している,としている本がありました。

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** 《参考図書》 **

記号-番号 については,

《参考図書》 リスト
http://mobility-8074.at.webry.info/201606/article_35.html

を参照してください。

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