語源 【尻馬に乗る】

私は,政治的に特に強い思想をもっているわけではありませんが,大学生時代 (昭和 30 年代後半 ~ 40 年代初め) はそれなりに学生運動にも参加したりしていました。そういった関係もあって,やはり基本的には反自民の人間です。

ただ,そんな私でも,佐藤栄作が首相をしていた時に,ポスト佐藤を狙う実力者として 「三角大福中」 が噂されていて,当時の自民党の強さというか,層の厚さは実感していました。

「三角大福中」 とは,三木武夫,田中角栄,大平正芳,福田赳夫,中曽根康弘のことですが,錚錚 (そうそう) たる顔触れでした。

それに比べると,現在の自民党は,そういった実力者の駒不足の感は否めません。安倍首相の後釜として,自民党総裁選の時期になると名前があがってくるのは,石破茂,岸田文雄,野田聖子あたりですが,私の目から見たらとてもとても小物でしかありません。麻生太郎は吉田茂の孫という血筋だけで政界にいるような存在です。

ん? 何が言いたい・・・・・? ですね。

まあ,要するに,現在の自民党議員のほとんどは,安倍晋三の尻馬に乗っているだけ,という感じがしてならないのです。


「尻馬に乗る」 とは,誰かが乗っている馬の,その誰かの後ろに同乗させてもらうことです。

馬の手綱 (たづな) を取って馬を操縦 (?) するのはその誰かの方です。後ろに同乗させてもらう人,つまり尻馬に乗る人は,その馬をどこへ向かわせるか,馬を速く走らせるか,ゆっくり歩かせるか,そういった手綱さばきは,当然ですが前の人に任せっきりになり,自分は,ただ前の人の考えややることについていくだけです。

そこから,馬にかぎらず,組織や集団でなにか行動をする際に,自分には何も考えがなく,誰かリーダー格の人の言うこと,やることに操られて追従しているだけという状態を 「尻馬に乗る」 というようになりました。


このことばは,もともとは鎌倉時代の頃の合戦で,馬から落ちてしまって,あわてて味方の誰かの馬の後ろに拾ってもらって,自陣へ逃げ帰ることを言ったものでした。

この 「尻馬」 ということばは古語辞典にも載っています。上に書いたような原義のほかに, 〈人の後ろについて事をすること。便乗すること〉 の意味も書いてあります。

そういう意味で 「尻馬に乗る」 人は,昔からいたんですね。


まあ,とにかく, 「尻馬に乗る」 ことは,とても恥ずかしいことだったわけです。
しかし,現代人は 「尻馬に乗る」 ことに何の恥じらいも感じないようです。

馬から落ちても,逃げ帰ったりしないで,そのまま敵に突っ込んでいくくらいの気概を示してほしいものです。


自転車の二人乗りは,原則として法に違反します。
「尻馬に乗る」 ことを禁止する法律ってないですか?

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** 《参考図書》 **

記号-番号 については,

《参考図書》 リスト
http://mobility-8074.at.webry.info/201606/article_35.html

を参照してください。

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