語源 【いちょう (鴨脚樹・銀杏・公孫樹) 】

静岡市で昭和 20 年代後半,私が通った小学校は,今思えば,運動場がものすごく狭くて,まるで幼稚園の庭みたいでした。学年ごとの学級数は 4 ~ 6 で,まだ児童の定数が 1 学級 60 人の時代だったのですが。

そんな狭い運動場で,運動会なんてよくやれたものです。まあ,当時は,運動会に親が来るなんてことはありませんでしたから,何とかなったのかもしれません。

しかも,その狭い運動場のほぼ真ん中に,大きな 「イチョウ」 の木が 1 本ありました。これも,今思えば,ずいぶん邪魔な存在なんでしょうが,これも時代が時代だったからでしょうか,少なくとも子どもたちにとっては 〈邪魔〉 という意識はなかったように思います。むしろ, 「○○小学校」 の象徴のようなものでした。

私が大人になって,私より 16 歳年下の姪が,その小学校に入りました。

姪に,運動場の真ん中のイチョウの木のことを聞いたら, 「そんな木,ないよ。知らないよ」 と言ってましたから,いつの間にか切られてしまったようです。


現在,私にとっての 「イチョウ」 のイメージは,大通りの 「イチョウ並木」 としての街路樹です。

イチョウ(A).jpg

「イチョウ」 の語源については,古語辞典に 「いてふ」 という見出し語があります。この 「いてふ」 から 「いちゃう」 に変わったとしている説があります。 「いちゃう」 は 「一葉」 だと言うのですが,あのイチョウの葉がなぜ〈一葉〉 なのか,その説明がないので,私としては納得のしようがありません。


「イチョウ」 は中国では,もともとは 「鴨脚 (アフキャク) 」 と言われていました。イチョウのあの扇形の葉を鴨の水かきのある脚に見たというわけです。この語源の方が,一応は “なるほど” です。

イチョウの葉と鴨の脚.jpg

その 「アフキャク」 が,日本から中国へ行っていた留学僧には 「ヤーチャウ」 と聞こえ,それがさらに 「イーチャウ」 → 「イチャウ」 と訛って,日本へ帰国した時に,持ち込まれました。

ですから, 「イチョウ」 を 「鴨脚樹」 と書くのは当て字ではないことになります。

また, 「イチョウ」 を 「公孫樹」 と書くこともあります。これは,この樹の苗を貴公子が植えてから,孫の代になってようやく実がなるという言い伝えからきたものですから,これは当て字です。

「銀杏」 と書いて 「イチョウ」 と読ませることもありますが,こちらは本来は 「ギンナン」 が正しい読みです。イチョウの実が一見すると杏 (アンズ) のようですが,杏は黄色から赤っぽい色をしているのに対して,イチョウの実はもっと白っぽいところから 〈銀色の杏〉 とみて 「銀杏」 と言ったわけです。

ギンナン.jpg

ところで,東京都では,旧東京市の成立100周年を記念して, 1989年に東京都シンボルマークを制定しました。

私もその制定後に東京都の職員だった時期がありますから,当然そのシンボルマークは知っています。

東京都シンボルマーク.png

で,各都道府県には,それぞれに,「神奈川県の木」とか 「埼玉県の木」 などが制定されていて,東京都にも 「東京都の木」 があって 「イチョウ」 なのです。

ですから,このシンボルマークも当然,イチョウの葉をデザインしたものだと思っていました。

ところが,これ, 「イチョウ」 ではなかったのです。これは 「TOKYO」 の頭文字の 「T」 をデザインしたものだったのです。

う~ん・・・・,やっぱりイチョウに見る方が自然ですよねえ。

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** 《参考図書》 **

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《参考図書》 リスト
http://mobility-8074.at.webry.info/201606/article_35.html

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