語源 【あこぎ (阿漕) 】

A) MY商会のやり方はひどいもんだな。主に高齢者を対象に,ターゲットにした人からは,やれ 「幸運の石」 だとか 「厄払い壺」 だとか,はたまた 「金銀が鈴生りになる木の苗」 だとか,まあとにかく安いものでも 50 万から,高いものになると 800 万円もの怪しげな物を次から次へと買わせて,無一文になるまで搾りとるあこぎなやり口でボロ儲けしてきているからな。

B) 「芸能プロデューサー」 なんて肩書きの名刺をつくって,新宿や渋谷で女子大学生や女子高校生に甘いことばをかけて,結局はホテルに連れ込んで猥褻な行為をするなど,あこぎな手口で女の子を欺していた男が,警察官の娘に手を出したことがきっかけで,ついに警察に捕まった。


このような場合に使われる 「あこぎ」 は,実は 「阿漕」 と書く地名なのです。

伊勢湾 (図1).jpg

図1の左側に青丸に 「✓」 のマークが印されているのが,三重県の県庁所在地の津市です。

図2は,そのあたりを拡大したものです。 JR 紀勢本線の津駅から南へ 2 駅目が 「阿漕 (あこぎ) 」 という駅です。その阿漕駅に近い海浜一帯を
阿漕ヶ浦といっています。

阿漕ヶ浦 (図2).jpg

その 「阿漕」 という地名が, 〈際限なく貪ること〉 〈やり方があくどいこと〉 というようなマイナスのイメージのことばとなってしまったのは,この地方に昔からあった伝説のせいというのですから,そんなありがたくない伝説というのもあるものなのですね。


この阿漕ヶ浦は,昔,伊勢神宮に供える魚を獲るための漁場だったので,一般の人には禁漁区と指定されていました。

ところが,この村の平治という漁師は,自分の母親が重い病気にかかり,その病には,この海で獲れるある魚を食べさせるとよいと言われて,夜中に密かに海に入って漁をするようになりました。

それを知った役人たちも,初めのうちは 〈平治の親孝行のため〉 と黙認していました。しかし,そのことを知って,ほかの漁師たちも,特別の理由もなく密漁をするようになってきました。そこで,役人たちも,度重なる密漁をいつまでも見過ごしにすることもできなくて,とうとう平治を捕らえて,罰として,平治を簀巻きにして,ここの海に沈めてしまいました。

この伝説,前半の部分だけでしたら,母親思いの平治の美談だったのですが,それがいつまでも続いてしまったために, 〈悪さをいつまでも続けること〉 の意味の方が強くなってしまい,そこから 〈徹底的に悪さを行う〉 〈最後まで悪さを貪る〉 というように,マイナスのイメージが必要以上に拡大されたことばになってしまいました。


それにしても,三重県津市の市内の町名として 「阿漕町 (あこぎまち) 」 は残っていますので,その阿漕町を住所としている人たちはどういう気もちでいらっしゃるでしょうか・・・・・。

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** 《参考図書》 **

記号-番号 については,

《参考図書》 リスト
http://mobility-8074.at.webry.info/201606/article_35.html

を参照してください。

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