語源 【うさぎ (兎) 】
ウサギについては,よほどのヘソ曲がりの人でないかぎり,ほとんどの人は 〈かわいい〉 というイメージをもっていると思います。
しかし,実物のウサギを最初に見たのはいつか,と思い出そうとしても,その記憶ははっきりしません。
私は農村育ちではありませんし,私が小学生の頃 (昭和 20 年代後半から 30 年代初め) は,学校の校庭にニワトリやウサギの小屋があるような時代ではありませんでした。
私は静岡市生まれですが,子どもの頃,静岡市と清水市 (当時) の間ぐらいのところに狐ヶ崎遊園地というのがありました。 (テレビアニメの 「ちびまる子ちゃん」 に,たまーに出てきます)
その遊園地に,ほんとに子ども向けの小さな動物園があって,キツネ,タヌキ,サル,シカに,ウサギ程度の小動物ばかりだったように思います。
そこで実物のウサギを見たのが最初だったかもしれません。
でも,それよりもずっと先に,絵本でウサギを見ていましたから,実物を見ても別に感動もしませんでした。
ところで,それまで絵本で見たウサギも,その動物園で見たウサギも全身真っ白のウサギでした。そのせいか,ウサギは世界中どこでも白いものだと思い込んでいました。
大人になってから,外国の童話などに出てくるウサギの絵を見ると,全身真っ白というわけではなく,黒茶色っぽいウサギが出てきて,そこで初めて,ウサギにもいろいろな種類がいるんだなと気がつきました。

しかし,日本語としての 「ウサギ」 の語源をあたってみると,やはり 〈白いウサギ〉 がもとになっていると思えます。
1) 「ウサギ」 は,もともとは 「ウ」 でした。
それは,十二支の 「ネ・ウシ・トラ・ウ・・・・・」 の 「う (卯) 」 に今でも残っています。
その 「う」 は,実は 〈鳥の羽〉 の意の 「う (羽) 」 を意味していたというのです。
この動物のふさふさした毛が鳥の羽を連想させ,またピョンピョンと軽やかに跳ねる様子からも 〈鳥のような小さな動物〉 というイメージをもたれて 「う (羽) 」 と呼ばれました。
それが後になって (いつの時代かはっきりしませんでしたが) , 「う」 の後に 「さぎ」 が付けられるようになりました。
この 「さぎ」 は, 「しらさぎ (白鷺) 」 の 「さぎ」 です。この小動物の白さがよほど印象強かったのでしょう。
「う (羽) 」 にしても 「さぎ (鷺) 」 にしても,この動物を鳥のように見ていたことがうかがえます。
まあ,これも,私はウサギがピョンと跳ねるところを目撃したことがないのですが,跳ねるといっても,なんとなく 30 ~ 50 センチ程度かなとイメージしています。しかし,ことによると昔のウサギは 1 メートル以上の高さまで跳ねたのかもしれません。
そのくらいの高さまで跳ねたのだとすれば,ウサギを鳥とみなしたというのも頷けます。
ウサギを数えるのも,ほかの哺乳類のように 「 1 匹, 2 匹・・・・」 や 「 1 頭, 2 頭・・・・」 ではなく, 「 1 羽, 2 羽・・・・」 と数えるというのも,ウサギを鳥とみなしたあらわれなのでしょう。
と,おおかたの参考図書は,上に書いたような語源説を言っています。
それ以外にも,いろいろな語源説が 10 近くありますが,それらの中から比較的分かりやすいものをいくつか紹介しておきます。
2) 上の 1) と同様で,もともとは 「ウ」 だったが,それにやはりこの動物を意味する梵語の 「ササカ」 をつけて 「ウササカ」 と言ったものが縮まって 「ウサギ」 になった。
3) しっぽが短くて,切られているように見えることから 「ヲサキ (尾先切) 」 と呼ばれたものから転じた。
4) 耳が長いので 「ミミフサナギ (耳房長) 」 と呼ばれた。
5) 草食なので 「クサクヒ (草食) 」 と言われた。その 「kusakuhi」 の語頭の 「k」 が落ちて,さらに語尾の 「kuhi」 が 「gi」 に変化した。
6) 上唇が真ん中で裂けたようになっていることから, 「ウス (薄 or 失) 」 + 「アギ (上顎) 」 で 「ウスアギ」 と言っていたのが 「ウサギ」 に縮まった。
なお, 「兎」 の漢字の画線の構成や筆順を間違えている人がかなりいるように思います。
次のサイトで確かめておきましょう。
http://kakijun.com/c/514e.html
------
** 《参考図書》 **
記号-番号 については,
《参考図書》 リスト
http://mobility-8074.at.webry.info/201606/article_35.html
を参照してください。
A-01 A-02 A-03 A-21 A-22 A-53
B-01 B-02 B-03 B-03-2 B-04 B-05 B-06 B-12 B-16 B-17
B-17-2 B-18 B-33(6) B-56 B-59 B-69
C-11(a) C-11(b) C-39(2) C-41 C-56 C-92 C-94
O-23
しかし,実物のウサギを最初に見たのはいつか,と思い出そうとしても,その記憶ははっきりしません。
私は農村育ちではありませんし,私が小学生の頃 (昭和 20 年代後半から 30 年代初め) は,学校の校庭にニワトリやウサギの小屋があるような時代ではありませんでした。
私は静岡市生まれですが,子どもの頃,静岡市と清水市 (当時) の間ぐらいのところに狐ヶ崎遊園地というのがありました。 (テレビアニメの 「ちびまる子ちゃん」 に,たまーに出てきます)
その遊園地に,ほんとに子ども向けの小さな動物園があって,キツネ,タヌキ,サル,シカに,ウサギ程度の小動物ばかりだったように思います。
そこで実物のウサギを見たのが最初だったかもしれません。
でも,それよりもずっと先に,絵本でウサギを見ていましたから,実物を見ても別に感動もしませんでした。
ところで,それまで絵本で見たウサギも,その動物園で見たウサギも全身真っ白のウサギでした。そのせいか,ウサギは世界中どこでも白いものだと思い込んでいました。
大人になってから,外国の童話などに出てくるウサギの絵を見ると,全身真っ白というわけではなく,黒茶色っぽいウサギが出てきて,そこで初めて,ウサギにもいろいろな種類がいるんだなと気がつきました。

しかし,日本語としての 「ウサギ」 の語源をあたってみると,やはり 〈白いウサギ〉 がもとになっていると思えます。
1) 「ウサギ」 は,もともとは 「ウ」 でした。
それは,十二支の 「ネ・ウシ・トラ・ウ・・・・・」 の 「う (卯) 」 に今でも残っています。
その 「う」 は,実は 〈鳥の羽〉 の意の 「う (羽) 」 を意味していたというのです。
この動物のふさふさした毛が鳥の羽を連想させ,またピョンピョンと軽やかに跳ねる様子からも 〈鳥のような小さな動物〉 というイメージをもたれて 「う (羽) 」 と呼ばれました。
それが後になって (いつの時代かはっきりしませんでしたが) , 「う」 の後に 「さぎ」 が付けられるようになりました。
この 「さぎ」 は, 「しらさぎ (白鷺) 」 の 「さぎ」 です。この小動物の白さがよほど印象強かったのでしょう。
「う (羽) 」 にしても 「さぎ (鷺) 」 にしても,この動物を鳥のように見ていたことがうかがえます。
まあ,これも,私はウサギがピョンと跳ねるところを目撃したことがないのですが,跳ねるといっても,なんとなく 30 ~ 50 センチ程度かなとイメージしています。しかし,ことによると昔のウサギは 1 メートル以上の高さまで跳ねたのかもしれません。
そのくらいの高さまで跳ねたのだとすれば,ウサギを鳥とみなしたというのも頷けます。
ウサギを数えるのも,ほかの哺乳類のように 「 1 匹, 2 匹・・・・」 や 「 1 頭, 2 頭・・・・」 ではなく, 「 1 羽, 2 羽・・・・」 と数えるというのも,ウサギを鳥とみなしたあらわれなのでしょう。
と,おおかたの参考図書は,上に書いたような語源説を言っています。
それ以外にも,いろいろな語源説が 10 近くありますが,それらの中から比較的分かりやすいものをいくつか紹介しておきます。
2) 上の 1) と同様で,もともとは 「ウ」 だったが,それにやはりこの動物を意味する梵語の 「ササカ」 をつけて 「ウササカ」 と言ったものが縮まって 「ウサギ」 になった。
3) しっぽが短くて,切られているように見えることから 「ヲサキ (尾先切) 」 と呼ばれたものから転じた。
4) 耳が長いので 「ミミフサナギ (耳房長) 」 と呼ばれた。
5) 草食なので 「クサクヒ (草食) 」 と言われた。その 「kusakuhi」 の語頭の 「k」 が落ちて,さらに語尾の 「kuhi」 が 「gi」 に変化した。
6) 上唇が真ん中で裂けたようになっていることから, 「ウス (薄 or 失) 」 + 「アギ (上顎) 」 で 「ウスアギ」 と言っていたのが 「ウサギ」 に縮まった。
なお, 「兎」 の漢字の画線の構成や筆順を間違えている人がかなりいるように思います。
次のサイトで確かめておきましょう。
http://kakijun.com/c/514e.html
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** 《参考図書》 **
記号-番号 については,
《参考図書》 リスト
http://mobility-8074.at.webry.info/201606/article_35.html
を参照してください。
A-01 A-02 A-03 A-21 A-22 A-53
B-01 B-02 B-03 B-03-2 B-04 B-05 B-06 B-12 B-16 B-17
B-17-2 B-18 B-33(6) B-56 B-59 B-69
C-11(a) C-11(b) C-39(2) C-41 C-56 C-92 C-94
O-23
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