語源 【輪をかける】

何か分からないことがあったら,辞典や本で調べる,あるいはネットなどで調べるというのは,まあ,一つの解決方法ではあります。

しかし,本に書いてあること,ネットで調べたことが必ず正しいとはかぎりません。

また,せっかく調べても,そこに書いてあることが,説明が十分でなかったり,説明の文章が下手なので,結局よく分からなかったというのは,誰もが経験していると思います。


この 「ナッシーの語源帳」 では,時々,そういった “調べたけれど,よく分からなかった” ことばの語源についても取りあげることがあります。

はい, 「輪をかける」 も,その類 (たぐい) の一つです。


「輪をかける」 の意味は, “話の内容や,物事の程度を,よりいっそう甚だしくする” “物事を大げさにする” “物事の程度を誇張する” というようなことです。

それはそれでいいのですが,その 「輪をかける」 は,もともとはどういうことなのかが,本を調べてみても,結局よく分かりませんでした。

本には, 「輪を付け加えて,一回り大きくすること」 と書いてありますが,これでは語源を説明したことにはなりません。

具体的に,何に輪をかけて大きく見せるのか,その肝心の 「何に」 が書かれていないので,さっぱりイメージがわいてきません。

1 冊だけ, 「桶に箍 (たが) をはめることから」 と書いてありましたが,桶とか樽の箍は,それらが円筒の状態を保つために必要なものであって,別に桶や樽を大きく見せるためのものではありません。事実,箍をはめたからといって,その桶や樽が大きく見えるわけでもありません。


まあ,でも,語源はよく分からなくても,案外使われていることばです。

A) ウチの社長にも困ったもんだ。理由にもならねえ理由をくっつけて,オレたちにもっと働け働けってケツを叩くんだから・・・・。 でもなあ,来年から社長の跡を継ぐことになっているムスコは,それに輪をかけて無茶を言うからなあ。もう,オレッち,やってらんねえわ。もう,ここもやめどきだな。

B) 毎年そうだって話だけど, 「哲学史」 の期末試験って超むずいって噂だよな。一発で合格するのは 3 割ぐらいしかいないらしいぞ。でな,ダメだったヤツに追試をやってくれるのはいいんだけで,その追試が,本試験に輪をかけてむずいってことだから,オレ,もう単位を最初から放棄しようかな,なんて思ってるんだ。

C) 美咲って,ウチの学部のミスコンで優勝しただろ。まあ,あれだけの美形だから当然なんだけどさ。でもな,美咲の妹も,来年ウチを受験するらしいけど,その妹っていうのがな,姉貴に輪をかけてものすごい美人だってことだぞ。もし合格して入ってきたら,オレ,絶対にアタックかけるからな。


どうやら, 「輪をかける」 内容は,いいことにも,悪いことにも適用されるようです。

そして, 「輪をかける」 ためには,輪をかけていない状態でも,それなりにあるレベルにあることが条件のようです。だからこそ,それに 「輪をかける」 , つまり 〈一回り大きくする〉 ことによって,その良さ (悪さ) がより目立つようになる,ということなのでしょう。

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** 《参考図書》 **

記号-番号 については,

《参考図書》 リスト
http://mobility-8074.at.webry.info/201606/article_35.html

を参照してください。

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