語源 【そこそこに】

A) お前さあ・・・,ちょっと飲み過ぎだと思うよ。もう若くはないんだし,体のためにもそこそこにしておいた方がいいと思うよ。

B) 急な出張で,どうしても今夜中に福岡に行っておかなきゃならないので,やりかけの仕事もそこそこに,羽田へ向かった。

C) オレだって,そこそこ頑張ったんだけどなあ。でも,やっぱりアイツにはかなわないわ。


「そこそこに」 は,目標の,あるいは予定していた数量とか分量に,もう少しで達するのだけれど,そこまで行かないうちに止める,やめておく度合いをいう表現です。まあ, 「ほどほどに」 とか 「だいたいそのくらいで」 といったニュアンスでしょうか。


この 「そこそこに」 の 「そこ」 は,代名詞の 「其処」 です。

もう少し具体的にいうと,上皿秤である予定の重さまで米とか豆などを計るときに,少しずつ米や豆を増やしていって,秤の針がそろそろ予定の目盛りに届きそうになると,だんだん増やす米や豆の量も少なくしていきます。いよいよ予定の目盛りに近づいてくると, 「あ,そう,そこそこ」 といった感じになります。

あるいは,酒とか醤油などの液体を 1 合マスや 1 升マスで計る時に,そろそろマス一杯になりかかると, 「そう,そこそこ」 といった具合で,樽の栓を少しずつ抜き差しして微妙な調節をしまする

そういった時の 「そこそこ」 が語源だというのが,数少ない参考図書に書かれていることです。


ここで大事なのは,予定の量を越えないように,という意識が働きますから,たいていは,その予定の量の手前で打ち切ることになります。

その 〈予定未満〉 こそが 「そこそこに」 の絶対条件なのです。


このように, 「そこそこに」 は,もともとは物の量とか数の程度を抑える意味の副詞だったのですが,次第に,時間的なことや,数量的に測れないような努力,熱意,感情のようなことにも使うようになりました。

あ,思い出しました。
童謡の 「浦島太郎」 の何番かに “遊びにあきて 気がついて お暇 (おいとま) 乞いもそこそこに・・・・・” ってありましたね。これも, 〈お別れの挨拶を丁寧にするのも十分でなく〉 という意味です。


なお,例文 C) のように, 「そこそこに」 の 「に」 を省略して使われることもあります。


このことばを使う際に気をつけたいのは, 「そこそこに」 に 〈いいかげんに〉 〈手抜きをして〉 のニュアンスが含まれることがありますので,誰かに 「そこそこにしておけよ」 と言った場合に, 「仕事を適当に手抜きしていいよ」 の意味にとられかねません。まあ,その場の状況とか雰囲気で,誤解されないように使いましょう。

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** 《参考図書》 **

記号-番号 については,

《参考図書》 リスト
http://mobility-8074.at.webry.info/201606/article_35.html

を参照してください。

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