語源 【ト書き】

一口に芝居といっても,いろいろなレベル・形態があります。

歌舞伎のような本格的な芝居,劇団○○座の公演,それに映画やドラマだって芝居の一形態です。学校の学芸会や文化祭などで演じられる劇も芝居です。

即興劇とか,政治家がよく演じる茶番劇や猿芝居には台本なんかないのでしょうが,それ以外の,上に書いたような芝居は,基本的には台本というものがあって,演じる役者は,その台本に基づいて演技をします。

その台本に書かれている主要なことは,登場人物の台詞 (せりふ) です。

しかし,台本には台詞だけが書かれているわけではありません。

私は,本格的な台本の中身をのぞいたことはありませんが,そこで演じる役者の動作,必要に応じて舞台の状況説明なども書かれているはずです。

例えば,

健人 「・・・・・・・・・」 と言って,聡子を抱きしめる。
聡子 「・・・・・・」 と微笑んで,健人を見上げる。

のように書かれているとすると,その 「・・・・・・」 の台詞の後ろの部分を 「ト書き」 といいます。

「ト書き」 の 「ト」 とは,その 〈と言って〉 や 〈と微笑んで〉 の 「と」 のことです。

というように,台本に書かれている台詞 (せりふ) 以外の部分には, 「と・・・・・」 の表記が多いところから,台詞以外のところのことを 「と書き」 → 「ト書き」 と言うようになったという次第です。

もちろん,すべてが 「と・・・・・」 の表記とはかぎりません。

「二人で,手をつないで舞台を時計回りに1周する」 というような説明書きがあれば,それも 「ト書き」 に含まれます。


まあ,ねえ・・・・。芝居だけでなく,私たちの人生も,ことによると神様がつくった台本どおりに進行しているのかもしれません。

でも,上の台本例の健人を私に置きかえると,ちょっと困ることがあります。

身長 155 cm の私では,聡子さんは私を見上げることはできません。聡子が,実際には誰であっても,ほとんどの女性は,私を見下ろすことになるからです。

ということは,私はロマンチックな人生劇を送れないということですね。

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** 《参考図書》 **

記号-番号 については,

《参考図書》 リスト
http://mobility-8074.at.webry.info/201606/article_35.html

を参照してください。

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