語源 【図に乗る 】

松本のヤツ,歌がうまいのは認めるけどさあ,みんなでカラオケに行くと,図に乗ってマイクを一人占めするから困るんだよな。

「図に乗る」 とは,自分が上手にできるとか,速くできるとか,知識が豊富であることをいいことに,調子にのって,まわりの空気を読まないで,つけあがることを言います。

結果として,まわりの人たちから蔭で 「アイツ,図に乗りやがって」 と叩かれ,嫌われます。


インドでは昔から仏教の経文は,歌のようなメロディーをつけてうたわれました。

そのやり方が日本にも伝わり,日本ではそれを声明 (しょうみょう) と言いました。

この声明は,歌うのがかなり難しかったそうです。何が難しいかというと,歌でいう 〈転調〉 のようなことが頻繁にあるらしいのです。

音楽としての歌でも,歌の途中で,ハ長調からヘ長調に変わったりする転調はよくあることですが,歌の場合は,ピアノとかオーケストラの伴奏があれば,何となく自然に転調できてしまうことが多いと思います。

お経ですから,そういった調子をとるための伴奏はないでしょうから,かなり難しそうに思います。

そういった経文には,そういった転調を示す図表のようなものが書かれているそうです。

(残念ながら,その図表なるものがどういうものなのかは分かりませんでした)

で,まあ,転調するのが難しいだけに,うまく転調できた時は,そのお経を唱えているご本人も気分がいいことでしょう。お経を唱える声も自然に自信に満ちた堂々とした声になるのはよく分かります。

「図に乗る」 というのは,そのように 〈うまく転調ができて,気分よくお経を唱える〉 というのがもとの意味ですから, 「図に乗る」 ことに悪いイメージはなかったのです。

しかし,ことばというのは,使われていくうちに,意味やイメージが変化していく運命にあります。

「図に乗る」 も,うまく転調できて気もちよく歌っている様子が,やがて 〈調子にのっている〉 〈これみよがしな態度をみせている〉 〈自慢げにうたっている〉 ように周りにはうつったのでしょう。そんなこともあって,いつしか 「図に乗る」 は 〈調子にのって,いい気になって,つけあがっている〉 というようなニュアンスのことばになってしまいました。


私は, 70 過ぎという年齢の割には,J-pops といわれている歌を歌うのが好きですが,時に,転調の音とりがすごく難しい曲があります。

The Alfee や 平井堅 の歌に,難しい転調のある歌があります。

その転調がピタッと決まった時は,やはりうれしいです。それこそ図に乗って朗々と歌い上げてしまいます。

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** 《参考図書》 **

記号-番号 については,

《参考図書》 リスト
http://mobility-8074.at.webry.info/201606/article_35.html

を参照してください。

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