語源 【タンポポ (dandelion) 】

私が自転車でボウリング場に通う約 3.5 km の道のりの半分ぐらいは,道路の両側が田んぼです。

3 月中旬あたりから,水色のオオイヌノフグリや赤紫色のホトケノザの小さな花が,道路と田んぼの境に目立っていましたが, 3 月も終わり頃になって黄色のタンポポがチラホラと見えはじめました。それが 4 月になって,道路の両側が一気に黄色一色に染まるほどにタンポポだらけになってしまいました。

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私が子どもの頃 (昭和 20 年代から 30 年代前半) は,まだ日本の固有種のタンポポだったと思いますが,今や,少なくとも都会部ではほとんどが西洋タンポポになってしまったようです。


「タンポポ」 の語源にはいくつかの説があります。

1) もとは 「たなほほ」 でした。 「たな」 は 「田菜」 で 〈田んぼの草〉 という程度の意味です。その花の後にできる種子の冠毛が 〈ほろほろと崩れる〉 ことから 「たなほほ」 と言われました。その 「たなほほ」 が音韻変化して 「たんぽぽ」 になったとする説です。

2) 冠毛を 〈穂〉 に見たてて 〈田んぼの穂々〉 という意味で 「田の穂々」 と呼んでいたのが 「たんぽぽ」 になったとする説です。

3) 槍の稽古のときに,槍の先端に 「たんぽ」 を付けます。 (下の図参照) この花の冠毛がその 〈たんぽ槍〉 に似ているところから 「たんぽ穂」 と呼んでいたのが 「たんぽぽ」 に変化したとする説です。

『広辞苑』 によると 「たんぽ」 は 〈綿を丸めて革や布で包んだもの〉 とあります。
私の勝手な想像ですが,秋田県の郷土料理の 「きりたんぽ」 も,それから,女性の生理用品の 「タンポン」 も,同源のことばなのかもしれません。

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なお, 「タンポポ」 は古名を 「鼓草 (つつみぐさ/つづみぐさ) 」 といいます。

その 「鼓」 からの連想で,鼓の音 〈タンポンポン〉 に結びつけて 「タンポポ」 と呼んだとする説もあります。

では,なぜ 「鼓草」 なのかというと,それにもいくつかの説があります。その中から 2 つを紹介しておきます。

4) 花茎を短く切って,その両端に切れ目を入れて水につけると,両端が放射状に反りかえって,鼓に似た形状になるから。

5) 花や蕾を 2 つ,背中合わせにつなげると鼓のような形になるから。


なお,日本に古くからあった在来種のタンポポは,特に関東地方に多く見られたことから 「カントウタンポポ」 とも言われていました。

その 「カントウタンポポ」 と 「セイヨウタンポポ」 の最大の違いは, 「セイヨウタンポポ」 は単為生殖のため一株でも種子をつくるのに対して, 「カントウタンポポ」 は二株以上がなければ繁殖できない点です。

そのため, 「セイヨウタンポポ」 の繁殖力の圧倒的な強さによって,短期間のうちに日本中に勢力を伸ばしてしまったわけです。

それとは別にこの両者を簡単に見分ける方法があります。

下の写真に示したように, 「カントウタンポポ」 は,外総包片 (花のガクの部分) が外に広がっていないのに対して, 「セイヨウタンポポ」 の外総包片は外側に反りかえっています。

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「タンポポ」 は漢字で 「蒲公英」 と書きますが,これは中国の 「蒲公英 (ほこうえい) 」 が日本の 「タンポポ」 と同じなので,この漢字を借用したものです。

また, 「タンポポ」 は英語で 「dandelion」 です。もとはフランス語の 「Dent de lion (ダン・ドゥ・リヨン) 」 からきているのですが,この 「lion」 は動物のライオンです。葉のギザギザがライオンの歯に似ていることからつけられた名前です。

言われてみれば,「歯医者」 は 「dentist」 ですし,歯に関連する形容詞は 「dental」 です。


若い頃に,タンポポの和え物を食べさせられたことがありました。私自身は,特においしいとは思いませんでしたが,まあ季節のものとして味わっておきました。

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** 《参考図書》 **

記号-番号 については,

《参考図書》 リスト
http://mobility-8074.at.webry.info/201606/article_35.html

を参照してください。

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・ 野草検索図鑑編集委員会 「野草検索図鑑 ② 双子葉の野草Ⅰ」 学習研究社
・ 上野善弘 「山野草カラー百科」 主婦の友社

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