語源 【襟 (えり) / 襟を正す】

和服や洋服の,それを着た時に首に接する部分を 「えり」 と言います。

掛け布団の,首に当たる部分も 「えり」 と言いますが,この場合は,その部分にあてがう幅の狭い布のことを言うこともあります。

「えり」 の漢字は 「襟」 と 「衿」 がありますが,常用漢字としては 「襟」 だけが認められています。


「えり」 の語源にはいくつかの説がありますが,次の 3 つの説が納得しやすいと思います。

1) 原始的な衣服である貫頭衣 (かんとうい) の最も簡単なものは, 1 枚の布や莚 (むしろ) の中央に穴をあけただけのもので,その穴に首 (頭) を通して着ていました。その穴のことを 「えりん (衣輪) 」 と言いました。その 「えりん」 が転じて 「えり」 と言うようになったとする説。

2) その貫頭衣の穴から頭を出し入れしたので,その 「いれ (入れ) 」 が 「いり」 になり,さらに 「えり」 に転じたとする説。

3) 貫頭衣にかぎらず,前で合わせる衣類も含めて,首に当たる 「へり (縁) 」 から 「えり」 に転じたとする説。


私は, 3) の説は,首に当たる部分以外でも,今でいう袖口の部分や裾の部分も 「へり (縁) 」 なわけですから,なぜ,首が当たる部分だけを 「へり」 と言ったのか,その説明がないと,ちょっと語源説としてもの足りない感じがします。


ところで,大事な仕事を始めようとする時に, 「襟を正して事にあたる」 という言い方をすることがあります。

この 「襟を正す」 は,直接的には,衣服の乱れをきちんと直すという意味です。

特に,和服の場合は,長い時間,着たままで動き回っていると,どうしても襟元が弛んできたり,左右の襟が上下にずれてしまったりしがちです。

その乱れを直すというのが原義ですが,そこから意味が転じて, 〈気もちを引き締める〉 という意味に用いられるようになりました。

「今日は,本社から社長が視察に来られるので,皆さん,襟を正して仕事にあたってください」 なんて,支店長が朝の挨拶で指示したりします。

まあ,ねえ・・・・,社長が視察に来るから,じゃなくて,普段から襟を正して仕事をしなきゃいけないんですけどねえ・・・・。

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** 《参考図書》 **

記号-番号 については,

《参考図書》 リスト
http://mobility-8074.at.webry.info/201606/article_35.html

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