語源 【アケビ】

私が大学の教員をしていた平成 6 年に,私が直接に担当していた学科のある学年の 16 人の学生たちに 「アケビを見たことがあるか」 と聞いてみたら, 「ある」 と答えたのは 4 人しかいませんでした。その 4 人に, 「じゃあ,食べたことかるか」 と聞いたら,食べたのは 1 人だけでした。

私なんかは,小学生の頃,住んでいたところは住宅地でしたが,家から 300 メートルぐらいのところに山があって,近所の子どもたちと徒党を組んでその山へ遊びに行っていましたから,季節になれば,アケビの実が割れたのを当たり前に見て,時々は,木によじ登って,実をとって食べたりもしました。

昭和 20 年代後半で,家に常時甘いお菓子があるわけではなかったので,アケビは子どもの甘さへの欲求を十分に満たしてくれました。

アケビ.jpg
正式には 「アケビカズラ」 といいます。 「カズラ (葛) 」 ですから蔓 (つる) 性の植物で,ほかの木に絡みつきながら, 10 メートル以上にも蔓を延ばしていきました。

熟すと,実がタテに割れますから,食べ頃になったと分かります。


「アケビ」 の語源にはいくつかの説があって,どれが一番有力な説か,あまりはっきりしていないようです。

1) 熟すと実が割れて開くことから 「開け実 (アケミ) 」 と言ったのが 「アケビ」 になった。

2) 割れて開いた中の果肉を 〈身〉 ととらえて 「開け身 (アケミ) 」 と言ったのが 「アケビ」 になった。

3) はじめは緑色だった実が,熟してくると暗紫色に変わってくる。昔の人にとっては,紫色も赤色の範囲の中の色ととらえていたので, 「赤実 (アカミ) 」 と言った。その 「アカミ」 が 「アケミ」 → 「アケビ」 と変わってきた。

4) 実が熟して割れたのを,人が口を開けてアクビをしている様に見て 「アクビ」 と言ったのが 「アケビ」 になった。

5) 実が熟して割れた形を, 「開玉門 (あけつび) 」 に見たてた。 「開玉門」 は 〈女陰が開いた状態〉 のことです。その 「アケツビ」 から 「アケビ」 に変わった。

6) アケビに似た,やはり蔓性の果実に 「ムベ」 がある。アケビはそのムベよりも少し早く熟すことから 「秋ムベ」 と言った。その 「アキムベ」 から 「アケビ」 に変わった。


これらのうち, 1) 2) 3) の 「アケミ」 → 「アケビ」 の変化は,十分にあり得ることと思います。要するに 「マ行」 の音 (おん) と 「バ行」 の音は相互に交換しやすい音なのです。

「馬」 (マ/バ)  「万」 (マン/バン)  「美」 (ミ/ビ)
「武・無」 (ム/ブ)  「木」 (モク/ボク)  など。

6) の 「ムベ」 は私は知りませんでした。ネットで調べたら次の写真のような実でした。 「アケビ」 との一番の違いは, 「ムベ」 のほうは熟しても自然に割れることはない点です。 「ムベ」 が熟すのは 10 月後半から 11 月にかけての頃ということです。昔の人にとっては,その頃はもう晩秋とか初冬だったのかもしれません。

ムベ.jpg

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** 《参考図書》 **

記号-番号 については,

《参考図書》 リスト
http://mobility-8074.at.webry.info/201606/article_35.html

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