語源 【坊や / 坊ちゃん / 坊主】

よその家の男の子を言う言い方に, 「坊や」 「坊ちゃん」 ということばがあります。しかし,これらのことばのおおもとは 「坊主」 でした。

江戸時代,子どもは髪を剃ると,髪が濃くなるといわれていて,特に男の子は少し髪が伸びてくるとすぐに剃られていました。

それが,僧侶の頭を連想させるので, 「坊主」 と言われていました。

しかし,寺の僧侶である本来の 「坊主」という言葉に,だんだんと悪いイメージが漂うようになってきました。 「なまぐさ坊主」 「たこ坊主」 「くそ坊主」 「三日坊主」 などは,あきらかに相手を卑しめたり罵ったりする時に使うことばです。

さて,そうなると,子どものことを 「坊主」 と言うのに,少しためらいが出てきます。

自分の子どもを叱る時ならまだしも,よその家の子を 「坊主」 とはいいにくくなってきました。

そこで,よその子どもに対しては 「坊様 (ぼうさま) 」 という呼び方が使われるようになりました。

しかし,これも,本来の寺の 「坊様」 と区別がつかず,ややこしいということもあって,そこから 「坊ちゃま」 「坊ちゃん」 という呼び方が一般化してきました。

それでも, 「坊ちゃま」 や 「坊ちゃん」 は,武家の家の子とか,裕福な商家の子どもに対する呼び方であって,それほどの身分でもない家の子に 「様」 の変形である 「ちゃま」 「ちゃん」 はあまりふさわしくはなかったようです。

そんな事情から,もっと気軽に町人や農民の子どもをいうのに 「坊や」 が使われるようになったものと思われます。

この場合の 「や」 は,目下の人の名前などに添えて,親しみを表す接尾語です。


ただ,この 「ぼうや」 の 「ぼう」 については, 「おぼこ」 の変形だとする説もあります。 「おぼこ」 とは,まだ世間のことになれていなくて,世慣れていないという意味で,特に子どものことを言うのに使われていました。

この 「おぼこ」 は男の子だけでなく,女の子に対しても 〈初々しい生娘〉 というような意味あいで使われてもいました。

ですから,江戸時代には, 「坊や」 は女の子にたいしても使われたことばだということです。


なお, 20 歳を過ぎた青年に対しても 「坊や」 呼ばわりすることがあります。まあ,たいていは,裕福な家庭でのほほんと育ってしまって,世間知らずで,社会適応力に欠ける,いわゆる 「ぼんぼん」 をからかった言い方です。

困るのは,そういう意味で 「坊や」 と言われたのに,喜んでしまうヤツがたまにいることです。それこそ,ほんとうの 「坊や」 なんでしょうね。

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** 《参考図書》 **

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http://mobility-8074.at.webry.info/201606/article_35.html

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