《ア・ラ・カルト》 コロナウイルス対策の疑問 (4) 万全な対策って

昨年 (2020年) ,新型コロナウイルスの感染者が減少しはじめた時期に,国は待ってましたとばかりに, 「Go to トラベル」 だの 「Gp to イート」 だのとキャンペーンをはって,落ち込んでいた経済の活性化を図りました。

まあ,その気もちは分からないではなかったのですが, ・・・・・ う~ん,なんか急ぎすぎてるなぁ・・・・・の感は否めませんでした。

伝染性の疾患というのは,ファッションの流行が下火になったとか,人気商品の売れ行きが落ち込んできたとか,絶対的だったアイドルの人気が落ち目になってきた,というようなこととはワケが違うのです。

そのような人気とか流行なら,いったんその人気が衰えだしたら,よほどのことがないかぎり,そのまま衰退していくのが一般的なパターンです。

しかし,今回のような感染症というのは,感染者が少しぐらい減ったからといって,そのおおもとの原因であるウイルスが生存しているかぎり,ちょっとでも警戒態勢をゆるめたら,またまたものすごい勢いで勢力を回復してくるのは当然のことです。


皮肉にも, 〈経済再生〉 をねらった 「Go to キャンペーン」 は,ウイルスの猛威を再生させてしまったという結果になってしまいました。

で,またまた飲食店などに対する営業自粛要請が行われることになりましたが, 「もう勘弁してよ」 と協力することに反発する店もあるようです。

私も、店側の事情も分からないではありませんので,そのことにコメントするのも難しい判断になります。


ただ,自粛要請の是非はちょっと置いておいて,店側の言い分に一つだけ疑問を投げておきたいことがあります。

よく,テレビのインタビューに対して, 「ウチの店は,感染予防に万全の対策を講じていますから」 という受け答えが取りあげられることがあります。


そういう場合の 「万全の対策」 って具体的に何をしているのだろう・・・? です。

まあ,一般的に行われている対策というのは,

1) 店の入り口にプッシュ式の消毒液を置いて,入店する客に手を消毒してもらう。
2) 客が入店時に体温を測定して,ある温度以上 (たいていは 37℃以上) ある場合は,入店を断る。
3) 店の従業員はマスクやフェイスシールドを着用し,また,店内に適宜アクリル板などを設置して,唾液の飛沫が広がるのを防止する。
4) 客にも,マスクやフェイスシールドの着用を求め,応じない客の入店を断る。
5) 何分かおきに,店内のテーブル,椅子,壁,カウンター,棚 などを,消毒液で拭く。
6) 定期的に店内の換気を行う。

でしょうか。


しかし,これらの対策をただ格好だけやっている店が多いのではないでしょうか。

1) の消毒にしても,入り口に置いてあるだけで,店のスタッフが見張っているわけではありません。 4,5 人の集団で入る客の中には, 1 人ぐらい消毒しない人がいるかもしれません。

つい先日,テレビの報道番組で,レポーターが店に入る時, 1 プッシュしただけで,手のひらを 2,3 回軽くこすっただけで入っていきました。その程度で,十分な消毒効果があるのでしょうか。でも,私が行きつけのボウリング場の入り口でも,その程度で消毒したつもりになっている人がほとんどです。


2) の検温は,どの程度徹底して実施されているか疑問です。私は最近は飲食店に入ることはほとんどなくなりましたが,書店やコンビニ,スーパーで検温されたことはありません。また,あの額などで測定する器械の耐久性はどうなのでしょうか。店によっては, 1 日に何百人,何千人の入店者があるわけですから,器械の耐用回数を超えてしまうことはありうると思います。

私が行っているボウリング場では,もう去年の 11 月頃から,検温の際,誰に対しても 「ピピッ,ピピッ」 と検温不能の音が出るようになりました。それでも,担当者は 「はい,いいですよ」 と入場させています。

3) については,私としては特に問題を感じてはいません。

4) については,マスクをしないで店に入ってくる客がいるのかどうか,その実態を知りませんので,何とも言えません。

ただ,店内で飲食の際にはマスクをはずすはずです。で,問題は一人客の場合はまあいいのですが,複数人の客の場合は,どうしても会話が始まります。 [食べる,飲む,話す] が頻繁になってくると,ついつい話す時もマスクをはずしたままになりがちです。問題はそこです。 「万全の対策を講じています」 という店は,そういう時に, 「お客様,お話される時はマスクをしてください」 と言っているのでしょうか。なかなか言いにくいのが実情だと思います。まあ勇気を出してそう注意を促したとしても,特に酒がすすんできた客は,またマスクをはずしたまま話しはじめるでしょう。その都度,店の側が注意しにいくと,多くの場合はそこでイザゴザが発生するでしょう。どうしても説得に応じないからといって,警察に通報する店なんか 99 % ないでしょう。 (大学入試の試験場とは事情が違いますから)

先日,テレビで 「黙食しましょう」 というような貼り紙を店内に貼っている飲食店が紹介されました。まあ,いわゆる飲み屋でない店なら,それなりに効果はあると思いした。

5) の消毒拭きですが,私がよく分からないのは,ウイルスは消毒液に触れると,いわゆる即死するのかどうかです。もし,消毒液に触れた途端に即死するのでしたらいいのですが,そこまでの殺菌効果がないとすると,布巾とか雑巾に付着してまだ生きているとすると,その同じ布巾で,いくつものテーブルや椅子や手すりなどを拭きつづけたら,その生きたウイルスをほかの場所に移動させることになるわけです。でも,まさか一拭きごとに布巾を交換するなんてことは,まずしないでしょう。

6) の換気は,店によっては,調理場に換気扇があるだけというところもあります。
店の物理的な構造にもよりますが,もともと窓が一つもない店だってあります。


と,まあ,いろいろな状況,条件がありますから,実際には 「万全な対策」 というのはものすごく困難なことに思えます。

それでも,まあ,店の物理的な構造に関することは,店側の努力次第で改善することはできるでしょう。

最も困難なことは,客が感染防止の努力を怠った際に,店側がそれにどう対処するかです。

それは客側の怠慢だから,店側の責任ではない,というのは通用しません。

「お客様に不愉快な思いをさせたくない」 という店側の気もちはあるとは思いますが,今,こういう事態になっている以上,店側も客に対して断固たる態度で臨むことが大事だと思います。そうすることが,ひいては店を守ることになるわけですから。


[付記]  2020.01.23

新型コロナウイルスに関する疑問については,去年 (2020) 8 月に,次の 3 点について問題提起しましたので,併せてご覧いただければ幸いです。


コロナウイルス対策の疑問 (1) PCR 検査 「陰性」 の危険
https://mobility-8074.at.webry.info/202008/article_12.html

コロナウイルス対策の疑問 (2) 「飛沫感染」 か 「空気感染」 か
https://mobility-8074.at.webry.info/202008/article_11.html

コロナウイルス対策の疑問 (3) 消毒の効果はどのくらい?
https://mobility-8074.at.webry.info/202008/article_10.html


特に,私は上の (1) の疑問については,とても重要なことだと思っているのですが,テレビでも新聞でも,この問題をほとんど取りあげることがありません。

私の認識の仕方にどこか間違いがあるのでしょうか。

もしそうなら,どなたかコメントでご指摘いただけないでしょうか。

"《ア・ラ・カルト》 コロナウイルス対策の疑問 (4) 万全な対策って" へのコメントを書く

お名前
メールアドレス
ホームページアドレス
コメント